KUMANOMANDARA17
真言宗 西国觀音霊場番外
妙法山
阿弥陀寺あみだじ
大宝3年(703)唐天台山の蓮寂上人が渡来してこの地で心仏不二の妙観を成就しました。そこで妙法蓮華経を書写し現在の奥の院(頂上)の地に埋め、立った木をそのまま彫って(立木仏)お釈迦様を安置したため、妙法山と称されるようになりました。
その後弘仁6年(815)に弘法大師(空海)が熊野行脚の際、当山に登り秘法を修め、山腹に一宇を建てて阿弥陀如来を安置し、本尊と定めたため阿弥陀寺と名付けられたのです。以来千有余年間、人々は阿弥陀様の浄土として亡き縁者の「おかみあげ」(納髪、納骨)をなさり、また大師堂(永正六年室町時代建立)の弘法大師42才のおすがたが厄除大師として信仰を集め、多くの人々の参拝道場となっています。
うっそうとした杉木立の一角に苔むした石の炉があります。平安時代法華経の行者であった応照上人はその経の一節にある、すべての衆生の罪とがを一身にかぶり火をもってみずからの体を焼き尽くすという薬王の姿に打たれ、食物をたち松の葉を食べて苦行を重ね、みずからも紙の衣を着て火生三味の行を実践しました。上人の身体が火に包まれても読経の声は最後まで穏やかで辺りにはまばゆいほどの光と鳥たちの賛嘆の声がみちあふれ、その煙は三日三晩熊野灘をただよい続けたといわれます。
ご案内
妙法の一つ鐘。弘法大師の書、阿弥陀仏に、現世の安泰と先祖の為に一つ鐘をつきお参りします。厄除けと極楽浄土を願う鐘。
御本尊
阿弥陀如来