真言宗 西国觀音霊場番外
妙法山
阿弥陀寺あみだじ
大宝3年(703)唐天台山の蓮寂上人が渡来してこの地で心仏不二の妙観を成就しました。そこで妙法蓮華経を書写し現在の奥の院(頂上)の地に埋め、立った木をそのまま彫って(立木仏)お釈迦様を安置したため、妙法山と称されるようになりました。
その後弘仁6年(815)に弘法大師(空海)が熊野行脚の際、当山に登り秘法を修め、山腹に一宇を建てて阿弥陀如来を安置し、本尊と定めたため阿弥陀寺と名付けられたのです。以来千有余年間、人々は阿弥陀様の浄土として亡き縁者の「おかみあげ」(納髪、納骨)をなさり、また大師堂(永正六年室町時代建立)の弘法大師42才のおすがたが厄除大師として信仰を集め、多くの人々の参拝道場となっています。
うっそうとした杉木立の一角に苔むした石の炉があります。平安時代法華経の行者であった応照上人はその経の一節にある、すべての衆生の罪とがを一身にかぶり火をもってみずからの体を焼き尽くすという薬王の姿に打たれ、食物をたち松の葉を食べて苦行を重ね、みずからも紙の衣を着て火生三味の行を実践しました。上人の身体が火に包まれても読経の声は最後まで穏やかで辺りにはまばゆいほどの光と鳥たちの賛嘆の声がみちあふれ、その煙は三日三晩熊野灘をただよい続けたといわれます。
ご案内
妙法の一つ鐘。弘法大師の書、阿弥陀仏に、現世の安泰と先祖の為に一つ鐘をつきお参りします。厄除けと極楽浄土を願う鐘。
御本尊
主な行事
1月1日〜5日 修正会
1月21日 初大師(お接待有り)
2月3日 節分星供養祈祷会
3月17日〜23日 春季彼岸会
4月20日 御影供
4月21日 御影供 (午前8時より)
6月15日 青葉祭り(お接待有り)
8月7日〜15日 盂蘭盆会
9月20日〜26日 秋季彼岸会
11月29日(旧暦10月28日) 三宝荒神祭(お接待有り)
12月21日 納め大師(お接待有り)
一つ鐘
世俗に「亡者の熊野詣で」と申し伝えられ、人が亡くなると霊魂は必ず妙法山に詣り、この一つ鐘をつくといわれます。 表面には弘法大師の書と伝えられる丸くかたどられた南無阿弥陀仏の文字と「空海」の銘があり、 現世の安穏と先祖の菩提の為に生前一度はついておくことを習わしとしてい ます。