滝尻王子宮(十郷神社)
KUMANOMANDARA11

熊野詣で五躰王子 藤原秀衡ゆかりの地

滝尻王子宮(十郷神社)

たきじりおうじぐう

滝尻王子は、富田川と石船川の合流地点にあり、熊野九十九王子の中でも特に格式が高いとされる「五躰王子」のひとつで、熊野の霊域の入り口としても重要なところでした。

富田川はかつて岩田川と呼ばれ、熊野詣の重要な垢離場(こりば)のひとつで、参詣者の一行は、この川で身を清め、王子社背後の剣ノ山の急坂を熊野本宮めざして登っていきました。

王子社では、経供養や里神楽などが行われました。二十八回もの熊野御幸を行った後鳥羽上皇は、当時の有名な歌人たちを引き連れて、ここで何回か歌会を開いています。

その際、歌人が自分の詠んだ歌を書いて差し出した懐紙は熊野懐紙(くまのかいし)と呼ばれ、貴重なものとされていました。現存する熊野懐紙は 三十数葉で、そのうち十一葉は正治二年(一二〇〇)の歌会でのものだとされています。


ご案内

富田川と石船川の合流地点にあり、熊野詣での重要な水垢離場で、富田川は、阿弥陀浄土からの清き水で水垢離に阿弥陀如来を念じなさい。
石船川観音浄土からの清き水、現世ご利益ありがたく、観音菩薩を念じなさい。
合流せし清き水は、熊野三山三世大権現に逢うための水垢離場です。 熊野大権現を念じなさい。

  • 乳岩

乳岩

滝尻王子社の左脇から急な坂道を行くと、「胎内くぐり」と呼ばれる巨石があります。その上方に奥州平泉の豪族藤原秀衡にまつわる伝説の「乳岩」があります。
秀衡夫妻が熊野詣での途中、夫人がここで産気づいて男子を出産しました。神のお告げにより、この岩穴に子どもを残して参詣をすまし、戻ってきてみると子どもは、オオカミに守られ、岩からしたたる乳を飲んで成長していたと伝えられています。

御歌

おもひやる 
かものうはげの 
いかならむ
しもさへわたる 
山河の水

滝尻王子宮(十郷神社)連絡先

和歌山県田辺市中辺路町栗栖川1223

0739-64-0614

交通のご案内

電車・バスにて

京都・新大阪駅からJRきのくに線にて紀伊田辺駅下車。 紀伊田辺駅からは、JRバスまたは龍神バスで滝尻バス停下車徒歩すぐ。

自動車にて

阪和自動車道・紀勢道上富田ICから国道42号・国道311号を経由。滝尻バス停すぐ。